「総合商社で働くひと」と聞くと、どのようなイメージが浮かぶでしょうか。
「年収が高く、買い物・レジャー・住まいなどの生活レベルが高そう」
「若い頃からバリバリとキャリアを積むひとが多く、優秀でスキルが高そう」
というイメージが膨らんできますよね。
実際に、
総合商社の年収レベルは他業界よりも高い!!
といわれています。
今回は総合商社の年収や、給料が高い理由、総合商社への入社方法について幅広く解説致します。
目次
年収は他業界に比べて高水準!
総合商社の年収は、他の業界と比較して高い水準にあるといわれています。
実際に高年収・高待遇に憧れて総合商社の門を叩くひとは多く、性別・年齢・時代を問わず人気の業種だと分かります。むしろ、高年収やブランドに憧れを抱いて志望する人の方が多いかもしれません。
また、世界を股にかけて仕事をする姿や、グループ企業の数・資本金の多さなど会社そのもののステータスに惹かれるひともおり、「一流企業」というイメージが根付いています。
総合商社の平均年収
総合商社の年収は、平均して700~1,200万円程度です。
会社や年代による差はありますが、令和元年度の日本人の平均年収が約436万円(※)であることを考えると、高い水準であることが分かります。
一般的な日本人の二倍程度あるので、生活には基本的に困らないでしょう。
では、なぜ商社は年収が高いのか、その秘密は後の章で紹介してますので、必ず最後までご覧ください。
平均年収ランキング
転職用口コミサイト「転職会議」によると、有名総合商社7社の平均年収について下記の通り情報が寄せられています。
三菱商事 | 伊藤忠商事 | 住友商事 | 丸紅 | 三井物産 | 双日 | 豊田通商 | |
20代 | 500万円 | 500万円 | 500万円 | 500万円 | 500万円 | 540万円 | 600万円 |
30代 | 650万円 | 650万円 | 700万円 | 700万円 | 700万円 | 600万円 | 800万円 |
40代 | 800万円 | 800万円 | 1,000万円 | 800万円 | 1,000万円 | 1,000万円 | 900万円 |
50代 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,150万円 | 1,000万円 |
口コミサイトに寄せられた回答をベースに算出しているため、必ずしも実態と一致してない可能性はありますが、どの総合商社も50代以降には1,000万円以上稼げる見込みであることが分かります。
また、20代のうちから日本人の平均年収を上回る額を得られることも、「総合商社は高給取り」と呼ばれる所以なのでしょう。
初任給からの推移を解説
では実際に総合商社に入社してからどのように年収が上がっていくのか、初任給からのステップアップを追っていきましょう。
初任給はどれくらい?
総合商社の初任給は、24万円~28万円程度といわれています。ちなみに、業界のリーディングカンパニーである三菱商事の初任給で見ると、25万5000円でした。なかなかの高水準ですね。税金が引かれた後の手取りだと大体20万ちょっとになりますね。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://js-furniture.jp/nensyu-500man-tedori/ ]こちらも会社・最終学歴(学部卒か院卒か)・年度によって多少の差はありますが、毎年新卒採用サイトを特設するのが一般的なので、最新情報は比較的簡単にチェックできます。
学部卒の平均初任給が約22万円、院卒の平均初任給が約24万円であることと比較してみると若干高い傾向にありますが、驚くべき違いはありません。
そのため、入社後の伸び率が高い業界であることが分かります。
年収1,000万は何年で達成可能?
ひとつの目標値として掲げられやすい「年収1,000万円」は、総合商社の場合、早くて30代前半には達成可能です。特に優秀な人材や成果が認められた人材は20代のうちに1,000万円を突破することもあるようですから、若いうちから十分な金額を稼げる環境であると分かります。商社と言ってもラクして稼げるなんてことはまずありません。30代で1000万となると相当な努力が必要となり、プライベートの時間も減ってしまう可能性が高いです。その覚悟は持っておきましょう。
遅くとも50代には平均年収が1,000万円を超える企業が多いため、年齢を重ねるごとに1,000万円が「当たり前」になりつつあると理解できますね。
一方で、会社による差もみられます。
三井物産や三菱商事は比較的年功序列で年収アップしやすいのに対し、伊藤忠商事は入社して3~4年の若手であっても成果が伴えば急激に年収が上がるなど、企業ごとの社風やカラーの違いもあるようです。
業界の給料が高い理由
総合商社は、なぜここまで給料が高いのでしょうか。
優秀な人材が集まるからこそ高い給料が払われるという原則はありますが、それに加えていくつかの要素を紹介します。
純利益が大きくなるビジネスモデル
商社のビジネスモデルは「商品・物を自社で仕入れ、求めている会社(人)に売る」というのが原則です。
メーカーのように自社で製造・生産・加工・処理をおこなわないため工場持つ必要がなく、卸売業のようにトラック・飛行機・船などで物流を担う必要もありません。自社保有の資産を持たず、商品・物のトレードだけに専念して事業展開できるため、コストとなる部分を徹底的に削れます。その分、利益を人件費や人材開発費に投入しやすくなり、年収が上がりやすくなるのです。
総合商社は「インスタントラーメンからミサイルまで」という表現が成されるくらい幅広い商材を扱いますから、時代のニーズに合わせて動きやすいというメリットもあります。
仕事の難易度が高い
時代のニーズを読み取り、何をどれくらい仕入れ、誰にどう売るかを考えるのは非常に難しい仕事です。日本だけでなく世界の最新ニュースやトレンドに気を配り、分野ごとの技術発展を追い、人同士のコミュニケーションを欠かさず、マーケティング解析を続けていく必要があるでしょう。
また、一部で「総合商社は激務」といわれているように、接待や雑務が多い業界としても知られています。時差のある国から深夜に緊急の連絡がきたり、営業職に厳しいノルマが課せられたりするという話も耳にします。
「高給だから」という理由だけで総合商社を目指すと、入社後の忙しさや必要とされる業務レベルの高さにミスマッチを感じるかもしれません。自分は本当に激務に耐えれるのかきちんと考えてから行動に移しましょう。
海外赴任手当が大きい
総合商社は特に海外赴任が多い業界として知られています。
世界各国の先端技術や最新商品を学び、現地企業や研究者と密なコミュニケーションを取って仕入れのコネクションを得るためにも、海外に足を運ぶ必要があります。
アメリカ・カナダ・イギリス・フランスなどの先進国に加え、アジア諸国・インド・アフリカなど新興国に出向くことも多く、社会インフラが未熟な国に赴任するほど手当も厚くなる傾向にあります。
家族を日本に残して赴任する場合の「単身赴任手当」や、現地での生活に困らないような「住宅手当」「通信費手当」などが支給されることもあり、年収アップに寄与しています。
総合商社に入るためには
「高い年収を得るために総合商社に入りたい!」
「仕事のスキルを磨いて社内外から認められる人材になりたい!」
と考えるひとは、総合商社に入社する方法を探っていきましょう。
ここではいくつかおすすめの方法を紹介します。
英語力を身につける
総合商社に入るためには、高い英語力が不可欠です。読む・書く・聞く・話すの全てがビジネスレベルでできるよう、早い段階から取り組んでおきましょう。
特に、入社時にはTOEICやTOEFLのスコアを重視する企業が多いです。
TOEICは、請求書や発注書・メールでのアポイント・電話での取引変更などさまざまなビジネスシーンごとに問題が出される英語力検定試験であるため、就職時に便利です。TOEFLは英語圏の大学に入学する際によく使われる英語力検定試験ですが、教育・研究・医療・製薬・貿易などにまつわるアカデミックな話題が多いため、是非チャレンジしておきたい試験です。
同様に、フランス語・イタリア語・ロシア語・中国語・韓国語など、英語だけでない書外国語を身につけてアピールするのも効果的です。
OB訪問をしっかりと行う
総合商社には、年収の高さや社会に与える影響の大きさに惹かれ、新卒・中途問わず毎年多くの応募が集まります。その中でも頭一つ抜きん出て採用してもらえるよう、対策を練るのがポイントです。
そのためには、実際に総合商社で働くOB・OGを尋ね、仕事内容や求められる人材像などについて細かく質問しておきます。書類選考・面接・グループディスカッションの場で効率よく自分をアピールするためにも、入社後のミスマッチを減らすためにもメリットの高い情報が得られますから、臆することなく積極的に頼りましょう。
OB訪問は基本的に学校のキャリア相談室で探してみましょう。企業によってはOB訪問が人事評価につながってる可能性があるので、きちんと準備もしていきましょう。
総合商社に強い転職エージェントに相談する
総合商社への転職を希望する場合は、総合商社に強いエージェントを使うのがおすすめです。
総合商社は年収や待遇が高いため、ハローワークや一般の転職サイトには求人を載せて応募者が殺到することを防ぐため、非公開で募集していることも少なくありません。それでも就職難易度が高くなる傾向にありますから、エージェントの力を借りて徹底した履歴書・職務経歴書添削、面接対策をしておきましょう。
普段から総合商社の人事部社員と接しているエージェントであれば、ポイントを絞った指導をしてもらうことも可能です。
まとめ
今回は、総合商社の年収について解説しました。
会社・年代・役職によって異なりますが、20代から1,000万円を稼げる総合商社もあり、また50代には全体平均が1,000万円を超えるなど、全体的に給与水準が高い業界であることが分かりました。
一方で、仕事内容が難しかったり、海外赴任が多かったり、事前にリサーチしたうえで入社の可否を判断しなければいけない点には注意が必要です。
毎年安定した人気のある業界ですから、OB・OG訪問や転職エージェントを上手に活用し、チャンスをものにできるよう対策していきましょう。